イルーナ

皇帝ペンギンのイルーナのレビュー・感想・評価

皇帝ペンギン(2005年製作の映画)
4.0
今はなきゴールド/シルバー劇場にて鑑賞。
皆さん大好きペンギン科。その中の最大種にして、「世界一過酷な環境で子育てする鳥」の称号を持つ皇帝ペンギンに密着したドキュメンタリー。

-40度に達する極寒の中、数ヶ月も絶食しながら抱卵するオス。
営巣地から海までの長い道のり。あの脚でずっと歩くわけだから気が遠くなる……
海の中では最も泳ぐことに特化した鳥として本領を発揮するが、そこでも天敵のアザラシが待ち構えている。
そして、我が子を失った親ペンギンは、他の子供をさらおうとする……

人間の目線からしたら、「過酷」の一語に尽きるその生態。まさに、「生きてるだけでえらい!」というレベル。しかし今日までその種は存続し続けているという神秘、たくましさ。
ペンギンって、体型が人間に似ているから親近感を感じるだけでなく、地上でのよちよち歩き、ぶきっちょな感じが「かわいい」とか「守ってあげたい」と感じる所もありますよね?
それなのに、自分たちの力だけで生き抜いている。
適応とは一体何なのだろうか、生命は何てたくましいのかとか、色々考えさせられます……

にしてもヒナのかわいさ!見た目どころか振る舞いもかわいい!
他のペンギン科は地味(王様ペンギン)だったり、親に似たカラーリング(ジェンツーペンギン)だったりするのに、どうして皇帝ペンギンだけキャラクターもののぬいぐるみのような愛らしさになったのか。本当に不思議。

一方ドキュメンタリーとして観ると、ナレーションがペンギン親子視点で客観性がない、音楽がポップスと、結構賛否分かれそうな内容。
個人的に音楽については、サントラ購入して何度も聴くくらい大好き。涼しくて幻想的な曲の数々です。

にしても、こんな過酷な環境で撮影に臨んだ製作陣には頭が下がります……
イルーナ

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