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皇帝ペンギンのMoviePANDAのレビュー・感想・評価

皇帝ペンギン(2005年製作の映画)
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『遠くまで』

“行って戻る”と言えば、Fury Roadなあの映画を思い出しますが、あちらはフィクションでこちらは南極で毎年本当に起こっている出来事。

ヨチヨチ歩き、時に滑り、距離にして100㎞以上という長い道程を繁殖の為に旅する皇帝ペンギン。求愛行動をとらえた場面はフランス映画ならではのロマンチックな雰囲気。俳優にセリフをあてた演出は、ただのドキュメンタリー映画とは一線を画してます。

出産後、餌を求め海に向かうメスが不在となる約4ヶ月もの間、ブリザード吹き荒れる中、絶食し卵を守るオス。時に卵を傷つけ、その小さな命が凍りついてしまうことも。

餌の為、海に潜るもアザラシに捕らえられる事もある食物連鎖という現実。メスが戻ってこなければ、餌を与えられず雛鳥の命も失われてしまう壮絶な運命。そのあまりに過酷な子育てに驚くからこそ、その後の雛が孵る場面を観ている顔は自ずと微笑んでしまいます。

孵ったからといって、その後も生きていく為には様々な困難が待ち構える子供達。でも家族で戯れるその姿に、観ているこちらも、“家族を守り、そして生きねば”と思わされるのでした。
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