15年の時を経て初めて対面する実の親子。父ジャンニ、障害を持つ息子パオロ。
息子からの興味深く覗き込むような視線と真っ直ぐな言葉におどおどしたような表情を見せる父は、ある意味自然だ。
同じように障害のある娘を長年見守る母、ニコール(シャーロット・ランプリング)の表情の素晴らしさ。
眼差しで、言葉で、どれほど苦労したであろう親である現実を突きつけてくる。
ドイツ語での会話の部分には字幕がなく、ニコールには伝わるがイタリア人であるジャンニ、パオロ、そして私たちにも正しい意味は理解できない。
言葉の強弱や表情から推測していく。
パオロの言葉が物語る、感動のラストシーンとはいかない現実。
これから始まる“親子”としての覚悟。