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パプリカのKeNのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
3.6
さながら「インセプション」の様な、スピード感とサスペンス要素、そして難解・奇怪な雰囲気もあり本当に夢を映像化した様な作品だった。

原作の筒井康隆さんの作風を師匠こと平沢進さんの楽曲がより一層際立たせていたし、ベテラン声優さんの演技も物語の中に介入し易くさせていた。

具体的な所での「不気味さ」は子供心に周りの何気ない物が少し怖くて気持ち悪く感じたり、お化け屋敷に入った時の様な感じにも似ていた。
嗚呼、それも群青なる空から舞い降りたひとひらの新聞紙に身を包んだ天女の飛来による核爆発。そしてそれを過ちと見ぬ時代の流れというおぞましき死刑囚の誘い。あれ、私の心を射抜いたのは人の夢の奇怪さよりも、あの時私を導いてくれたユダの思し召し。否、師匠の奏でる壮大なパレードの演奏は一足先にガラクタと成り果てた我らへの修理警告。まずは見よ。その瞳に映る自らの狂気こそが答えであり、涙は理解しえぬ饗宴への唯一つの切符なり。




すいません、誰かの夢が自分にも流れて来てしまったようです…。
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