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パプリカのpikaのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.5
筒井康隆の本も一冊も読んだことがないし今監督のこともよく知らないし、ただ「夢」の映画が好きってことだけで試しに鑑賞。
ある意味で予想通りツボで、冒頭から予測の出来ない着地の物語に涙したのは予想外だった。

ストーリーがとにかく面白くて、原作自体がいいのだろうけど脚本や演出がブレることなく綺麗に展開し、映画のジャンルが切り替わると言うか多重に織り込まれているような、展開するごとにウンウン唸らされては圧倒される面白さだった。
映画好きで映画見てて映画の良さが爆発してる展開とかニヤニヤします。

冒頭いきなり始まる「夢」の描写でアルアル的な共感を生み、その見せた「夢」のイメージを少しずつズラして表現する「侵入」と「侵食」からの「夢か現か」という、流れるようなビジュアルが最高に素晴らしくてゾクゾクしっぱなし。幸せすぎて胸が張り裂けそうになった。

わずか90分なのにいい意味で長く感じてしまうくらいに濃厚に、テンポの良い夢の中とゆったりとした現実の緩急がしつこいほど何度も繰り返される、それすらもクライマックスへ向けての意図的な演出であるかのように、ストーリーと夢がさりげなく伏線になりラストで全てが綺麗に集約される様は上手すぎて痺れ倒した。

最高。好きっす。
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