にゃんこむ

パプリカのにゃんこむのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
5.0
500レビュー記念!

何回も見返している作品。
今回レビューの為に久しぶりに見ましたが、細部をちょっと忘れかけている時期だったせいかとっても楽しめました。

○DCミニと呼ばれる機械を使い、他人の夢に入って精神病を治療するサイコセラピストの千葉敦子(パプリカ)。ある日、DCミニが研究所から盗まれ悪用されてしまい……

とても豪華な声優陣。世界の山寺宏一にアムロの古谷徹さんなどなど。
とりわけ私は林原めぐみさんの大ファンでして、ちょうどご出産されて仕事も控えていらした時期なので、とても嬉しかった思い出があります。

今敏監督の得意とするアニメーションだからこそ出来る映像の数々!
このアニメを見てから原作も読みましたが、原作は精神世界やその技術を悪用する人々を取り巻くSF大作として、アニメは精神病患者の精神世界の悍ましくやかましい情景をスピード感ばっちりで堪能できるのでどちらも好きです。
特に精神病患者の宣誓(?)みたいな支離滅裂な文言。めちゃくちゃ癖になる!あの不思議なセリフがあるからこそ、悪夢に侵された人々の異常性や、見ている側の不安を煽る効果があります。真似して書こうと思っても、なかなかあの脈絡のない文章を考えるのって逆に難しい。

『深層心理』や『精神病』などの作品が元々好きなので、この作品が好きというのもありますが、この作品を見た後に原作の小説を読んで、アニメ化にあたっての凄さを感じました。そもそも90分に収められる内容じゃないでしょう!と。
小説版の難しいSF用語や、なぜ夢に入って治療するのか?といった根本的なお話は、アニメ内ではほぼ説明されていません。しかし映像化にあたり、『夢探偵』という役割がどういう役目でどんなことをしているのか画面上で見せて説明してくれているんですよね。言葉でストーリーを進める小説と、映像で見せるアニメ。そんな違いを顕著に感じられる作りがとても好きです。

改めて見て思ったのは、
良い意味で心を揺さぶるような、不安にさせるような、そんな平沢進さんの音楽ともマッチしていて良いですね。

今敏監督の劇場アニメを4本とも見ましたが、
どれも今敏監督の作品だなぁと思えるような共通点はありますが、どれもが毎回新しいことに挑戦されていて好きです。
もっともっといろんな作品を見たかったと悔やまれます。
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