jonajona

パプリカのjonajonaのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
5.0
アニメにしかできない表現とストーリーの飛躍で魅了してくれた素晴らしい映画。
今敏作品に欠かせない平沢進の音楽の美しさと怪しさも最高にマッチしてる。
夢の中で意識を共有する装置DCミニ。
その装置を盗み悪用する人間が出てきたことで夢の世界に別人格パプリカを持つ主人公が犯人を捜査することになるが…

楽しい。すこぶる楽しい。
夢の世界が現れる映画は大体好きになっちゃうんだけど本作はドツボ。僕のイメージする夢ってのが現実と折り合いがつかない真相の欲望の具現化だったりするからなのかもしれない。終わり方も最高。

追記、
また鑑賞して『夢』を題材にした物語で、『現実と夢』というテーマ性をストーリー上にうまく孕ませつつスピード感を失わず最後まで進行していく展開に素晴らしさを感じる。
あと、物語(つまりこの映画)と夢の類似性というか、そういうところにも意識的なお話だということを今回初めて気付く。
夢の本を昔よく読んでたことがあって、『夢の中ではフロイトのいうような欲望の表出という面だけではなくて、単純にテーマが決まっていて、それについて数珠繋ぎ的に不規則に場面転換するだけのことがある』的なお話があって、
つまり、例えば一つの運動を(サーカスのロープで空中浮遊からターザンになる)次の運動につなげて夢が行き来したりする。ただその運動自体に意味があって欲望とかはその展開上無関係。というような…
それってまんま映画や物語の場面転換によく使われる手法で、今作では多分意図的に現実世界の描写でもそうした場面転換が用いられてて『夢か現実か混乱を招く』ことをあえて行ってる。そこがなんか見てて発見でした…

とにかく何が言いたいかというと、
平沢進の音楽は最高ってことね!
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