ウサミ

パプリカのウサミのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.2
夢と現実、日常への強烈なスパイス


夢が虚構なら、現実もまた然り。
夢に逃げる者もいれば、現実に閉じこもる者もいる。

夢とうつつ、その境目を曖昧にする怒涛のアニメーションは、どうしても圧倒されてしまう。
その中で、ピリッとしたコミカルさと、奥深いテーマを見せてくるから堪らない。

ファンタジックな世界観なんだけども、ファンタジーに逃げずに描き切る力量が伝わってきた。

過去のトラウマ、現在のコンプレックス、未来の不安、時を超えて人は常に惑わされ続け、彷徨い続ける。それらを受容しつつ清々しく一歩を歩き出すエネルギーを感じる展開は、素直にカッコいい。

残念なのは、イマイチ感情移入したり好きになれるキャラが欠けていて、どこか単調に感じてしまった。
どうしても、終盤の展開は一歩引いてしまうというか、前半の没入感に比べると退屈ではあったけど、最終的な着地点の心地よさが勝ったかな。

映画の中でのルール、理屈が曖昧ながら、「そうなったからそうなった」と飲み込み、映画が描くエンターテインメントとテーマに目を向けることが出来れば、すごく楽しい映画だと思う。

夢と現実、その両方の残酷さと美しさ、ハイブリッドで描き切り、作品としてまとめ上げる今敏の手腕が凄すぎる。
多分多くのアーティストに影響を与えたんだろうな〜