カルダモン

リトルショップ・オブ・ホラーズのカルダモンのレビュー・感想・評価

3.9
下町の冴えない花屋で勤務する冴えない男シーモア。ある時ガラクタ屋で見つけた珍しい鉢植えを持ち帰り店の窓辺に並べたところ、客足の乏しかったお店がたちまち大繁盛。しかしその植物の正体は人間の血を吸って生きる宇宙植物だった!というお話。

元は1982年にブロードウェイで上演されたホラーコメディミュージカル。さらにその源流には1960年に上映されたロジャーコーマンの映画作品という変遷。

シーモアの成功とお店の急成長に比例してどんどん膨らむ宇宙植物が楽しい。触手がニョキニョキ、花の蕾が開いたら無数の歯がズラリ。言葉も覚えてラジオパーソナリティの如き流暢なトークを繰り出す始末。陽気でブラックなテンションがとても良い味。
手作りの熱量を感じるVFX。タレ眉に困り顔が似合うリックモラニス。心は80年代に切り替わる。ミュージカルである必要はあまり感じないけど、リックモラニスの歌声を聴けるので貴重。

この映画で植物以上にヤベーのは歯医者。虫歯を嬉々としてドリルで掘削していく様は見事に狂ってる。