シグのすけ

ハンニバルのシグのすけのネタバレレビュー・内容・結末

ハンニバル(2001年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

羊たちの沈黙の素晴らしさは、もう何も言うことはないのだけれど、意外とこの二作目も気に入ってます。

なんたって当時、一目見て嫌いになったレイリオッタが(思い返せば先にグッドフェローズで見てる筈だが)なんと頭くり抜かれて、レクター博士に美味しくいただかれてる!

このシーンがこれ程似合う男を他に私は知らない。というかレイリオッタはこのシーンの為に存在していると言っても過言じゃない。このシーンの為に生まれてきた。

大丈夫かレイ?お前今何されてるか分かってるのか?レクター博士がお前の

わかっている。彼はわかっているのだ。台本をもらう前からわかっている。監督に聞かされる前から彼はちゃんとわかってる。

ニュージャージーの高校時代から、マイアミ大学で青春を謳歌してた時分から、いや初めてキスした14歳の時のダンスパーティーの時(知らんがな)からわかってる。彼はこの為に生まれた事に確信を持っていた。

生きながらレクター博士に美味しくいただかられるんだ僕。嘘じゃないんだ。信じなくてもいいけど。そんな先の話じゃない。この気持ち上手く伝えられないよ。もうすぐ、もうすぐなんだ。僕にしか出来ない。誰にもやらせないぞ。僕だけのものだ。

そしてそれは正確に定刻どおりに、淡々と礼節を持って行われた。彼の使命は真っ当に成就した。

あれから何年もたつ。彼は今、もう別の彼だ。今でもたまに映画で見る彼はもはや以前の彼じゃない。彼の目は遠くを見ている。フィレンツェを見てる。全てを置いてきたフィレンツェとクラリスとレクターを思い出し、歓喜の笑いを堪えながら生き、そして演技をする。今もこれから先も。



●フィレンツェの街並みが凄く綺麗だった事も付け加えておきたい。
シグのすけ

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