ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★★☆
『ロッキー』シリーズ第4作目。
過去3作品とはだいぶ趣向が異なる作品だった。
今作では最強の敵ドラゴ(ドルフ・ラングレン)が出てくる。
ロシアのボクサーで、アメリカに殴り込みをかけてくる設定だ。
身長196cmの巨体の前では、身長177cmのロッキー(シルヴェスター・スタローン)も小さく見え、まさに"おそろしあ"を体現したような出で立ちはインパクト強い。
そんなドラゴと最初に対峙したのがアポロ(カール・ウェザース)。
自信満々で戦ったものの、ドラゴのあまりの強さに惨敗、命を落とす結果になってしまう。
その報復もあったかはわからないけど、ファイターとして親友の仇は取りたかったんだろう。
今度はロッキー(シルヴェスター・スタローン)が戦うことに。
これまでよきライバル、よき友として付き合いのあったアポロの仇を取るという流れは、共感しやすくてとてもいい。
ただ、この映画は過去3作の中で一番尺が短く、ストーリー性がやや薄く感じられた。
だから、アポロのくだりもけっこうあっさりしていて、イマイチ感情移入ができなくてね。。。
せっかくのいい題材なのに、すごくもったいない気がする。
エイドリアンって常にロッキーが心配なんだよね。
子供もいるのに、いつ死んでもおかしくない状況に身を置いているのは、妻として気が気でないだろう。
引退して5年も経つのに、あのアポロをボコボコにしたドラゴと戦おうとするロッキーを必死で止めるのは自然なこと。
ところが、ロッキーは「人の中身は一生変わらない」として、ロシアにトレーニングに出かける。
「おまえが結婚したのはそういう男だ」と。
融通が利かないと言えばそれまでだけど、自分のこだわりを貫く姿はちょっとわかるかも(笑)
でも、試合を通じて彼は変わった。
当初はロッキーにブーイングしていたロシアの観客も、次第にロッキーを応援するように。
ロッキーも憎しみを持って戦っていたけど、やがてそれもなくなった。
エイドリアンに「人の中身は一生変わらない」と言い放った彼だけど、今回の試合で「人は変われる」ということを身をもって体感したのだ。
その変化は感慨深かった。
そんなわけで、尺が短くなっている分、ストーリーやキャラクターに関しては過去一番あっさりしているけど、その分観やすさはあった。
アメリカとロシアの戦いという当時の冷戦を反映した設定にも注目したい。
(2022.8.19追記)