悪魔の往く町の作品情報・感想・評価

「悪魔の往く町」に投稿された感想・評価

ゆっこ

ゆっこの感想・評価

4.0
デルトロの「ナイトメア・アリー」を原作とする作品。
キャラクター造形や結末がデルトロ版とは異なっています。
こちらはシンプルに、「身の丈に合わない野望」を持つ小物の哀愁を描いた印象。
小悪党、と言う感じでどこか可愛らしさすら感じる。という部分で、デルトロ版よりキャラ設定に無理がないように感じで見やすいと思った。

自身にも周囲にも、愛を持つ男と愛を持たない男。
同じストーリーを二つの観点から描いた映像化がされているのは、なんとも贅沢。

以下ネタバレ

















私が一番いいなと思ったのが、リリスの裏切りのシーン。
「あなたは精神状態が悪すぎて、現実がわからなくなってるわ。あなたが見てきたものは、いわば夢ね。」的な言葉を淡々と投げかけるリリスは、スタンに全てなすりつけて金だけ得ようとする、というより、言霊でスタンの世界を壊してしまおうとしている、と見るととても怖い。

そのうちパトカーの音が鳴り響き、スタンは「警察を呼んだのか」と憤る。
リリスは「パトカー?聞こえないわ?何を言ってるの?」と目も逸らさず言う。

スタンは聞こえる、と食い下がるけどリリスは取り合わない。
この時、スタンはリリスの言葉を信じたんだろうなというのがとっても怖かった。
私も一瞬、世界が歪んだ気がした。
スタンが一気に信用できない語り手になったようで。

だから、その後のスタンの落ちぶれ方が余計に怖くて。
「追われて仕方なく堕ちた」というより、人間としての根本をぶっ壊されたようで。
冷静にモリーを逃して(お金まで与えて!)、しばらくはホテルにも住まえる。でも、何かがおかしい。
そして初めて、お酒を手にする。
この辺は、デルトロ版のピートが予言した「現実と嘘の区別がつかなくなる」と似ているので、あながち間違いでもないのかとも思う。

アルコールの匂いに拒否反応を起こした時、お酒を手にした時のBGMはどちらも獣のの呻き声。(めっちゃ好きな演出!)
酒に溺れて、前後不覚になって、モリーの顔もわからない。
モリーを認識するまで、彼は確かにギークだった。

しかし、モリーとの再会で、スタンはギークではなくピートになった。
最悪の結末からは、救われた。
支配人が言う通り「身の丈に合わないことをするから」という小物には、この結末はようやく身の丈に合ったのかな…。とは思ったけど。

もしもスタンが本当に怖かったのが、ギークの声と紐づいたピートの記憶であったなら、この結末は一番残酷ではないか…という考えも浮かんて、何にせよどんよりしました。


そして、本作のモリーはとってもかわいかった!
ショーの素敵なドレスでチョコチョコと歩き回る姿の可愛さよ…。
一生懸命スタンに反抗して、やっぱり出来ない〜とべそべそ泣いてしまう。
可愛すぎる。

あと、モリーがドリーを演じるシーンは雰囲気あって怖かった。モリーが心くじけなければ、成功してたんじゃないかっていう幽霊っぽさだった。
こも

こもの感想・評価

3.6
デルトロさんの方を観た後、大昔にも映画化されてると知って早速鑑賞。

モリーの女優さんめっちゃ可愛いね。

雰囲気も良かったけれど、何より大げさな物語ではなく、身の丈にあったことをしましょうよ!ってのが良かった。

これからはモリーと2人で「ジーナとピート」のように生きて行くんだなぁってラストもしんみりしましたよ。
うた

うたの感想・評価

3.0
デルトロのナイトメアアリーを見たからこっちも

とんとん拍子に話が進んでて結構あっさりしてた
ラストはデルトロ版のその先まで描いてる感じかな?
スタンのビジュアルはまんま

うーん、デルトロ版の方がギークがしっかり描かれてるしグリンドルとのシーンがスリラー感強くて好きかなあ🤔酷いけどこれがあるからあのラストが際立つ

【opening】
見世物小屋でジーナ達と働くスタン

(楽天で購入)
だい

だいの感想・評価

3.1

このレビューはネタバレを含みます

中盤までは正直どうでもいいというか、
野心に溢れる自信家の男が恩義も忘れ独立する、
というのはまあ、
いろんな話でよくある流れ。

主人公スタンは、
あちこち色目使っていけすかない奴だけど、
実際に才能もあるのは明らかなので、
独立して成功することに違和感は全くなくて、
むしろ奥さんのモリーが無限にいい子すぎるからこそ、
もういっそこのまま成功して幸せになってくれや!

と思わせる所がストーリーのミソ。

観てる側はモリーの幸せを願ってるがゆえに夫婦の成功を祈ってるのに、
モリーが止めるのを聞かずに別の女との儲け話に傾倒してゆくスタン。

この構成が上手い!!!

スタンに対する感情を、
スタートから終盤までブルンブルン振り回す脚本の凄みよ。


そして最後に、
より憎むべき相手のために同情の対象になるスタン。

だから結末が納得できるのよな。


よく出来た話の中で、
やはりモリーの衣装だけはクレイジーなので、
あれは絶対に監督の趣味。
MissY

MissYの感想・評価

3.5
公開中の「ナイトメア・アリー」の元ネタというか、原作小説があって1947年に映画化されたモノ。YouTubeで見たので日本語字幕はなく映像でなんとなくストーリーを理解する感じだったけど、ラストが、こちらは若干違います。ラストはギレルモ・デル・トロ版のほうが、より残酷で上手いと私は思う。でも見れて良かった。コチラを見ると、世界観はかなり忠実にリメイクされているんだなーと分かります。
だん

だんの感想・評価

5.0
信仰と催眠術の境目について。人を騙くらかして地位を築き上げた男。天罰、と言えるほどオカルトチックなことは起きない。けど、神の存在を信じてしまいそうになるほど転落する。不気味で良い映画だった。主演のタイロン・パワーがセクシー。
のすけ

のすけの感想・評価

2.5
公開中のナイトメア・アリーはこれのリメイクとのこと。デルトロみたいな派手な見せ方はないけど、これはこれでおどろおどろしい怖さがあるし同じくらい面白かった。
パブリックドメインだからフリーで観れる。
https://www.youtube.com/watch?v=bXEkWRti5Qs

この話、サタン教会(無神論の哲学を共有する"サタニスト"のグループ)に関係が深いらしく、批評家でサタニストでもある高橋ヨシキによると、創設者のアントン・ラヴェイは本作に強い影響を受けたとのこと。
ところで、サタニストのルールに、「魔術で願望をかなえても、その力を否定すれば得たものを失う」というのがあるのだが、原作ではそれが描かれているそう。
寓意として、デルトロ版は因果応報の話にみえるけど、原作は"魔術"と"奇術"を混同した結果、しっぺ返しくらう話だそうだ。

47年版はどっちともとれる感じというか中間点にある。
論点は精神科医に読心術をしたとこにありそうで、デルトロ版は納得できそうなロジックの説明だったけど、こっちは微妙だ。
本物の"魔術"だったのだろうか?
ヨシキ氏は「47年版でも"魔術"はうまく描けてない」って話だったけど、私は解釈を観客に委ねているのかなとも思った。
じょせ

じょせの感想・評価

4.0
デルトロ『ナイトメア・アリー』と原作を同じくする1947年の映画。
デルトロ版は、この47年版にかなり忠実な一方、人物のバックグラウンドを掘り下げていることもわかる。
しかし、これくらいあっさりしたキャラクター描写もよい。クライマックスの精神分析医との対峙は緊張感あり。
結末はかなり強引にいい感じにまとめられているが、ヘイズコード下にあったことと関係あるのだろうか。
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