ドント

ロイ・ビーンのドントのレビュー・感想・評価

ロイ・ビーン(1972年製作の映画)
4.4
72年。ウウ。ウウウ……(泣) 銃と馬と無法の時代のテキサス、ならず者がふとした気まぐれで「よっしゃ~。わしが判事になったるわ~」と思い立ち、ムチャクチャをやりながら我流の“正義”をやっていく米国西部劇。このムチャな判事殿、実は実在の人物だったりする。
マカロニを通過した後の暴力と乱暴さを混ぜながらも全体はおおらかでポップでコミカル、Pニューマンや共演者(者?)の愛嬌もあって実にアメリカンな味わい。たった2時間でひとりの男を通して無法の頃から汽車の時代までを語りきるだけでもやるなぁ~と感じるのに、そこからさらなる高みに向かう。ラスト20分と最後の5分、時代に流されていった男たちの挽歌では終わらせぬ、映画の魔法が花開く。
歴史と時代をなぞりながらも夢のような世界に着地する美しき物語。そういえば原題は「判事ロイ・ビーンの人生と時代」なのだった。いいものを観たなぁ……(泣)
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