ウィリアム・バロウズの長編小説「裸のランチ」をベースに再構築された作品。
一言で言えば「キ〇ガイ」。ずっと不気味でずっと常軌を逸した映像。だんだんと理解することを拒絶するような精神状態に(序盤は頑張って見てた)。ジャンキーの幻覚を疑似体験させられている様な、毒電波を浴びせられ続けているような映画。「理解できない映画」というより「本能が理解してはいけないと警告してくる映画」。
かなりグロテスクな映像が多いので注意が必要。グロテスクといっても首チョンパや四肢断裂のような肉体的グロテスクではなく、ゴキブリ、化け物みたいなタイプライターと言うように悪夢みたいな映像表現からくる精神的グロテスク。
原作の小説「裸のランチ」ちょっと読んだことあるけれどマジで一文章も何言ってるか分からん。よくこれを基に映像化しようと思ったな…。
原作もこの映画も狂ってるけれど劇中の「ウィリアム・テルごっこで間違って妻を射殺」が原作者のウィリアム・S・バロウズの史実というあたり一番狂ってるのは原作者かもしれない。
OPと劇中流れるジャズ音楽はかなりカッコいい。エンドロールで知ったけれどオーネット・コールマンが担当している。前衛的なフリー・ジャズの先駆者とウィリアム・S・バロウズの作り出す世界観は結構親和性は高いかも。