なおぶみ

裸のランチのなおぶみのレビュー・感想・評価

裸のランチ(1991年製作の映画)
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妄想100で突っ切るのではなく、現実と妄想を交互に見せて、観客をギリギリ振り落とさない(崖っぷちに片手でぶら下がってるぐらいのギリギリだけど)バランス感覚はクローネンバーグの職人的な持ち味だと思う。

冒頭の文体についての議論が映画そのもののテーマに繋がっている。理性に糊塗された「完成度の高い」作品は硬直さを伴うし、抑圧を振り払った柔軟な作品の方が作家にとっては挑戦になるのではと思う。

もちろん性や無機物との融合というクローネンバーグ映画のテーマもしっかりと含まれている。
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