広島カップ

ジャスティスの広島カップのレビュー・感想・評価

ジャスティス(2002年製作の映画)
3.0
第二次大戦末期、ベルギーにあるドイツ軍の連合軍捕虜収容所内に盛り沢山の要素を詰め込んだヒューマンドラマ。
連合軍捕虜内での黒人差別問題、上官と部下の対立、お約束の脱獄、さらに捕虜の指揮官(ブルース・ウイルス)の人となりがミステリアスと来ていて、観客としては視点をどこに持っていったらいいのやら?製作者サイドとしてはこんだけ詰め込んだら満足やろ?という欲張りなストーリー展開。

なかでも収容所内での黒人差別という所を持って来たのが珍しかった。白人捕虜が俺たちは黒人と同じ屋根の下で寝るのは嫌だという駄々を捏ねる。そんな事言ってる場合か?米国の人種差別意識は戦時下でも根強い。

ブルース・ウィルスはドンパチが激しい『ダイ・ハード』(1988)で一躍脚光を浴びて登場したのでそうしたイメージが強いのですが、こうした静かな役でも持ち味を発揮できる男優で、これから歳を重ねていくに連れてそうした面を深めて行く事が期待されただけに、実に残念な災難でした。
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