Ryu

尼僧物語のRyuのレビュー・感想・評価

尼僧物語(1959年製作の映画)
3.5
外科医を父に持つガブリエルはコンゴで仕事をすることを夢見て尼僧になる決意をする。シスタールークとなった彼女は厳しい修道院生活に身を投じていく。

【定期】オードリー・ヘプバーンが美しすぎる。
今作のヘプバーンは尼さんということで、いつもよりめちゃくちゃ質素です。それでも美しさは全然隠れていません。
役作りも力を入れていて、実際のシスターから習慣や仕草など細かいところまで教えてもらい、顕微鏡の使い方、外科的な技術も学び、手術も見学したんだとか。
ストーリーはそこまで多くの展開は見せなくて、比較的淡々としています。そんな中で主人公の葛藤が痛いほど描かれています。信仰心の欠片もない自分としてはそこまで苦しむ必要があるのか?と思ってしまいます。主人公も根っこは人間らしい性格であり、余計に葛藤に悩みます。
コンゴで働くという目標のためにここまでの犠牲をはらえるのがホントにスゴいことだなぁと思いました。その信念の強さは並大抵のものではないでしょう。
今作はカトリック教会のチェックが入っているため、その描写の数々は忠実なものになっているんでしょうね。
勉強にはなるんですが、やはり無宗教の身としては、理解が及びません。色々厳しい規律等がありますが、矛盾点だらけに感じてしまいます。なのでラストの彼女の行動には拍手を送りたい、これからを応援したい と心から思えました。
ヘプバーンの戦時中のレジスタンス運動や晩年のユニセフの活動などを見ると、今作の主人公と重なるものがあると思いました。
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