よねっきー

ドゥ・ザ・ライト・シングのよねっきーのレビュー・感想・評価

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
4.8
気が狂うような猛暑!事件を起こすにはうってつけの日。朝から酔っ払いに「正しいことをしろ」と呼び止められた少年は、果たしてその1日を正しく生きられるのか。

リズムのいい台詞の応酬が楽しい。さすがラップを産んだ人種だけある。「FUCK YOU」に溢れた映画だけど、それと同じくらいに「LOVE YOU」に溢れた映画でもある。

1つの町の4ブロックくらいで全ての物語が展開する。画面の主役として写ってたやつが違うカットではエキストラのように見切れたりしてて、狭くて濃密な世界観が素敵。超ミニマム。でも抱えるテーマはビッグ。

この映画は差別反対映画の元祖だけど、「黒人かわいそう」っていうテーマはほとんど見えなくて、(むしろ黒人マジかよって描写の方が多い)ただ全体で「差別は良くないよね」ってのを感覚的に訴えてくるから尊敬。完全な悪も完全な善もいない、ってやつ。原点and頂点、ってやつ。

主人公がゴミ箱を投げてからのシークエンスはもうフィクションとは信じられないほどの熱気があって、恐怖すら感じた。ドキュメンタリーを観てる時の絶望感みたいな。
白人を非難した流れでアジア人も標的にする瞬間は震えた。「俺は黒人だ」と訴えるアジア人。これを自然に撮り上げるなんて狙ってできるもんじゃないのに、狙ってやってんだもんな。肌の色が違うだけなのに、こんなにも分かり合えないのか。

どんなに人々が分かり合えなくても、日々が辛くても、俺は世間を愛して、礼節を持って、メイヤーの様に生きたいな。

今日の天気、極寒!!って感じですね。夏が待ち遠しいぜ。
よねっきー

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