貝

ドゥ・ザ・ライト・シングの貝のレビュー・感想・評価

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
4.0
灼熱のブルックリンの温度感がジリジリ伝わってくる。暑くて、臭くて、苛立って、働きたくねーーー。音楽聴いて、ピザ食って、チルしてたい。日本には存在しない空気感が心底羨ましい。
基本的には陽気で平和でダラついた空気が流れてるけど、意識の奥に根付いてる人種間の対立がリアルでピリッとする。

今タイムリーで起こっているBLMとまったく同じ事件が取り上げられている。いつの時代でもこうした黒人差別の体制を変える為に彼らは闘ってきた。
エンディングでキング牧師とマルコムXの言葉で、暴力に頼ることへの賛否を問われる。私はキング牧師に同意派だけど、実際この時代において、彼らの体感として、暴徒化することで抵抗する方法しかなかった現実があったかもしれないことは理解したい。暴力が良くないことだなんてバカでもわかる。

ブラックカルチャーの恩恵を受けてない人間なんているのかな?少なくともこの映画を観た人はカルチャーの体験もしたかったはず。遠い日本ではどんどん過去のニュースになっていきがちだけど、今世界が変わろうとする瞬間に当事者として立ち会いたい。
貝