小林モンジャ

ドゥ・ザ・ライト・シングの小林モンジャのネタバレレビュー・内容・結末

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

長文注意

最後のキング牧師の言葉(いかなる暴力にも反対。暴力は新しい憎しみを生む)はまさにこの映画なんだなと俺は思う。

前半のブルックリンに住む黒人の日常と、他人種(イタリア系、韓国系)の人たちが描かれているんだけど、日本とは本当に違う世界なんだなと言うのがよくわかる。

そこからの暴動だけど、未だによく分からんのだけどなぜあそこでムーキーはガラスに投げ込んで暴動のきっかけを作ったのだろう。

単に店の兄貴やら警察にムカついていた怒り、あと同じ黒人が殺された怒りをぶつけただけなんだろうか?

ってか壁にイタリア系の人物しか飾られてないとか、店内でラジカセ爆音で鳴らし続けるとか原因は確実にあちらサイドにしかないよね。

差別すんな!とか言う割には自分も相手に合わせるという事ができない愚かしさ。

違う人種や違う世界の人を理解も共感もできないだろうししなくていいけど、許容ができたら良いのになと。

これでまた新しい憎しみが生まれて終わりのない争いが続くわけか…。

30年経った今も同じ(それどころか悪化)だし、もう人間には平和などという高尚な理想の実現は無理だと思ってしまう。

「黒人街に建物建てるとかお前はブラック・トランプか?」というセリフは面白かった。

ラストにキング牧師とマルコムXの言葉が流れてくる。
キング牧師の言葉は前述の通り、マルコムXは自己防衛のための暴力は暴力ではない、という言葉である。

人々はどちらの言葉を信じてこれからの未来を作っていくのだろうか。