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斬るのmitakosamaのレビュー・感想・評価

斬る(1962年製作の映画)
3.6
スカパーにて。市川雷蔵主演作。70分程度の短い作品とは思えない程の濃密な映画!

ある藩士の息子役に雷蔵。優しい父とかしましい妹に囲まれた朗らかな生活。序盤はちゃんと頭を剃ってる青天で登場。何気に雷蔵の時代劇では何気に少数派なのでは?
父親の理解もあり3年間の武者修行の旅に。この3年間は描写されないという思い切りの良い時間経過。
独特の突きの剣術をマスターして帰ってくる。この構えと突きって…ビリヤードじゃないのんか?

幸せな日常だったが、妹がお隣さんに恋慕された挙げ句フラレた腹いせで父共に惨殺。出生の秘密を明かされ、亡き母の事を知る。この頃から青天から前髪になる。

途中、武士に追われる姉弟に出会うが、弟をかばって犠牲になった姉に衝撃を受ける。見てるこっちも衝撃的なシーン。何故裸になる?
幕府の役人の元に取り立ててもらい、婿入りの話も貰う。
でも亡き妹、母、行きずりで死に立ち会った女に操を立て断っちゃう。

尊王攘夷の中、取締りに行った水戸藩で父のように慕っていた上役が殺されてしまい、割腹。
恋人でも何でも無い3人の女の為に嫁取りを断り、忠義の為に死ぬ。
これって、武士道の持っている本質的なエロスを漂わせてるよね…(氏家幹人著・武士道とエロス 等参照)中盤以降前髪のある禿頭になるのもポイント。
雷蔵の醸し出す雰囲気と共に、何処かセクシャルな臭いがとても魅力的。
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