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007/リビング・デイライツのEirainのレビュー・感想・評価

007/リビング・デイライツ(1987年製作の映画)
3.4
「007」映画シリーズ第15作。三代目ジェームズ・ボンドとして長年役を務めてきたロジャー・ムーアが降板し、新たにティモシー・ダルトンがボンドを演じている。

ボンド役は交代となったが、監督は引き続きジョン・グレンがメガホンを取っている。これまでの作風と変わらず「堅実・硬派、裏を返せば地味」。しかしながら、ボンド役の若返りでアクションシーンの切れが良くなったことで、「硬派で強いボンド」が際立ち、監督の長所が底上げされたように感じた。ボンドカー(寒冷地仕様)や秘密道具の見せ場もしっかりと用意されているし、また、終盤で「ムジャーヒディーン」が絡んでからの展開は、なかなか良い塩梅のトンデモ展開でGood。ボンドガールも適度な"おバカ"さで癇に障ることもなく、全体的に良いバランスとなっていたのではないだろうか。(とは言え、やはり地味さは否めないのだが。)

これまでのボンドは、どちらかと言えば"紳士的な魅力"だったが、今作のダルトン=ボンドから、"野性的な魅力"に路線変更されたように思われる。この路線は、次のピアース・ブロスナン、そして現在のダニエル・クレイグまで続いており、今作が一つのターニングポイントになっていると感じられた。
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