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007/リビング・デイライツのmatchypotterのレビュー・感想・評価

007/リビング・デイライツ(1987年製作の映画)
3.8
『007』シリーズ、第15弾。
ロジャームーアに代わり、ここから2作はティモシーダルトンが“殺しのライセンス”、007を襲名。

1987年。80年代後半だけあって、ここまでの作品よりもアップテンポな楽曲が多く、ポップな雰囲気がある。

そして、この時代と言えば、ソ連。
民主主義と社会主義の世界とソ連の緊張状態を背景に、イギリスのMI6とソ連のKGBとの諜報活動、要人の奪い合いと保護、阻止の抜き差しならぬ攻めの一手に攻めの一手で応戦する疾走感と重厚なアクション。

ここ最近、あんまりガッツリ出てこなかった開発担当のQによる007ガジェットが今回はかなり活躍する。
あのアストンマーチン、クソかっこいい。レーザーやらミサイルやらこれぞ007らしい機能の数々。

ティモシーダルトン、とても甘いマスクの2枚目。
新たなジェームズボンドとして若返りもあって、アクションにも新鮮な風が吹いてる。

身長もあってスマート。顎も割れてて男らしい佇まい。なのに、ユーモアもあるし、微笑むと優しさが滲み出てくるような表情。
とても“殺しのライセンス”には見えないカッコ良さ。

しかし、今回のボンドガール、マリアムダボに近づき、KGBの妨害工作を切り抜けながら真相に迫る。

マリアムダボ、可愛い。明らかに他と違う光を放ってる。ブロンドのボブがめちゃくちゃ似合う。目力があって華奢だけど、存在感がある。
事態に振り回されつつも、ボンドガールとして、ボンドと行動を共にする強さと華がある。

この美男美女のティモシーダルトン1作目の007、ここまでのジェームズボンド像をしっかり受け継ぎユーモアも忘れず、彼らしい躍動感と優しさがあった。

重厚さと疾走感の中に、絶妙に出過ぎないトレンディさが良い。

ここまでの据え膳食わぬは〜みたいなすぐに女性を虜にしてしまう“女たらし”は少し控えめ。意外と一途。

そういう意味でもかなり真面目な方に軌道修正した007と言える。

スタイリッシュさもあり、相変わらずの陸、空、海が望めるアクションもあり、エキストラの数でも圧倒し、重厚な設備を動かすロケーションもあり、泥臭さもある。

ボンドガールは可愛くて行動力あって悪戯っぽくてじゃじゃ馬だし、王道のスパイアクション映画として今に通ずる迫力があって総合力が高い作品。

なんかちょっと『インディージョーンズ』とか最近だと『アンチャーテッド』っぽいとこもあってエンタメとしてもかなり観やすかった。
なぜ2作でティモシーダルトンが代わってしまうのか、逆に気になる出来栄え。


F:1903
M:3814
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