うめ

花よりもなほのうめのレビュー・感想・評価

花よりもなほ(2006年製作の映画)
3.7
人生は時に喜劇のようだ。
馬鹿馬鹿しくて情けなくて。
これは映画だからねって言い切れない。

貧乏長屋で暮らす人々の悲喜こもごも。
それぞれが抱えるものを紛らわせるかのようにふるまう。
はしゃいでみたり
ハスに構えてみたり
それでも
振り返れば
現実はひたりひたりと後ろからずっと付いてくるんだ。


まるで家族のように身を寄せ合って生きる姿は、真っ当に暮らす者には落伍者にしか見えないかもしれない。
でも
人間らしく生きるとは何か?
正しさとは何か?
是枝監督らしい優しさと辛辣さ。

人数が多過ぎるからか、話がややとっちらかってしまった感じがする。
もう少しスッキリしても良かったかな?
キャストは芸達者が揃っているので安定感があります。
芸人軍団も芝居とは呼べないかもしれないが、会話の間や軽妙さはさすが本職。


人が生きていくうえで、本当に大切なものって何なんだろう。
この監督の作品って余韻が残りますね。
うめ

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