たお

パラダイス・ナウのたおのネタバレレビュー・内容・結末

パラダイス・ナウ(2005年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

舞台は、パレスチナのイスラエル占領地ナブルス。
鉄線が張り巡らされ、道路は徐に封鎖され、水は汚れ、突然の爆撃もあるなど、イスラエル軍の圧力で閉塞感がある生活がそのまま写される。

その現状を打破し、イスラエル軍に一矢報いるため、そして国の英雄になるために、ハーレドとサイードは自らの腹に爆弾をくくりつけ、テルアビブでテロを試みる。
しかし、テロ声明を撮影する際は、カメラが壊れたり他の人が飯食ってたりとぐだぐだ。
ニュースで見るようなテロリストも普通の青年である。

最後に、サイードだけがテロ決行を選んだ。子供がいる普通のバスでなく、兵士が乗ったバスを選んだのは、彼が兵士を自分と同格のものと見なしたからだろうか。
テロリストには、天国・パラダイス、現実・ナウが同じ瞬間に存在しているという意味でこのタイトルがつけられている。

ナブルス、ナザレ、テルアビブでのロケとなった本作、なんと劇中の銃撃音は実際のものとのこと。この逼迫した現実はあまりにも悲しいが、知る機会ができて非常に良かったと思う。
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