南アフリカで先住民を強姦してエボラウイルスの保菌者となった殺人犯の男が香港をパニックに陥れる姿を描いたスプラッターコメディ。
香港の名優アンソニー・ウォンが極悪非道のエボラ保菌者を演じた伝説と言っても過言ではない程の衝撃のスプラッタームービー。下半身の欲望に任せて暴れ回る男がエボラの保菌者となったことで更に暴走を加速させていくという映画。とにかく不快で倫理観の欠けた映画で率直な感想を言うともう二度と観たくない。保菌者の男の欲望に任せた数多の倫理的にアウトな行動の数々が嫌なのはもちろんなのだが、そこにエボラというめちゃくちゃ恐ろしいスキルがついているのが最悪。私はウイルスとかそういう関連が一番怖いから観ていて鳥肌が立ちっぱなしだった。でもそれ以上にこの映画は魅力に溢れていた。まずアンソニー・ウォン演じる保菌者の男の最悪さ。清々しい程にクズ野郎で笑い方が恐ろしく気持ち悪くて最悪なのに最高のキャラクターだった。実際のところアンソニー・ウォンは静かな映画が好きだそうで自分が出演した中で嫌いな映画で今作と同じハーマン・ヤウ監督の「八仙飯之人肉饅頭」をあげているくらいだからきっとこの映画も思い出すのも嫌なほど嫌いなのだろうと思うと観ていて変な気持ちになった。演じている当時はどうだったか知らないけど。最近では「淪落の人」や「白日青春」とか静かな映画に出ているから今が一番心地良く演技できているのかもしれない。私はジョニー・トー監督の「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」のときのアンソニー・ウォンが好き。