マーくんパパ

の・ようなもののマーくんパパのレビュー・感想・評価

の・ようなもの(1981年製作の映画)
3.6
森田芳光の劇場版デビュー作。公開時に観て、この軽妙な洒脱感、センスある監督だなぁと思っているうちに『家族ゲーム』『それから』と多彩な才能開花、そしてあっという間に鬼籍に入ってしまった惜しむべき映画人。二つ目落語家志ん魚(しんとと)の兄さん同門仲間や落語サークル女高生たち、トルコ嬢との温かな交友記。秋吉久美子のトルコ嬢エリザベスがとてもキュートです。23才で女も知らない志ん魚に誕生日カンパでトルコに送り出され、初回でその誠実さに見染められる下りは落語「幾代餅」を彷彿させる羨ましさ。好きになった女高生自宅でお父さんの前で一席演じ才能無いのを見透かされ終電終わった深夜の堀切駅から道中づけしながら浅草〜東京駅〜自宅を目指し朝まで歩く姿は1番のお気に入りシーン、落語「黄金餅」も思い起こさせます。兄弟子でんでんも若いし真打昇格した尾藤イサオは雨上がり宮迫によく似てて笑える。