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の・ようなもののveのレビュー・感想・評価

の・ようなもの(1981年製作の映画)
4.6
素晴らしい!紛うことない名作でした。落語家を主人公にした青春モノなのだけれど、その描き方は底抜けに明るく軽やか。人物たちは一様にとぼけた台詞を言い、笑いあう。暗い様子は全くなく、観ている側はゆったりとした雰囲気に思わず癒されてしまいます。ストーリーに大きな起伏はなくとも、画面に出てくるキャラクター誰もが愛おしく感じられる。
当時の時代を示すアイテムが次々と現れるのも、作品の良さを増幅させる。優れた作品はその時の時代感をこちらにすんなりと体感させてくれるのです。
そして、朗らかな物語を断絶するように挿入される幻想的なカットからは、ポップな物語とは真逆の、作り手の熱意を感じられます。これこそまさに作家性だ。
緩やかに物語を進めながら、ほんの少しの主人公の成長を予感させる締め方も見事。エンドロールで流れる「シー・ユー・アゲイン雰囲気」(名曲!)も相まって、青春の終わりという寂しさと人物の変化に対する感動がある名ラストシーンでした。

こんな素晴らしい作品の続編「の・ようなもの のようなもの」には大きな期待をするしかないでしょう!