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の・ようなもののdeenityのレビュー・感想・評価

の・ようなもの(1981年製作の映画)
2.5
タイトルが圧倒的に興味をそそりますよね。『のようなもののようなもの』の存在を知ってから元ネタの本作に行き着いたわけですが、タイトル通り独特な世界観は予想してました。ですがさすがに、クセがすごい(笑)よく見てみると監督が森田芳光ときたか。どうりで味(と言っておこう)があるわけだ。

この監督の意図なんですかね。『キッチン』の時もそうですが、なんで演技が大根になっちゃうんですかね。確かに世界観としては昭和臭い雰囲気が出ててやることなすこと面白いんですが、ただワンシチュエーションとしての面白さに過ぎず、作品としての面白さというのは掴みづらい。
特に群像劇ときているからにはテーマがバラけてしまうと作品を通してのテーマがブレてしまうと思います。

強いて言えば志ん魚が主人公で、落語家として一人前になっていくプロセスを追って進んでいくストーリーかと思い、そもそも絶望的な滑舌の時点で厳しいと思ったからラストの志ん魚の無声演技というのは上手いと思ったのだが、そもそもテーマ云々以前にその作品の雰囲気を楽しめばいいのかもしれない。

とにかくこの監督は合いませんが、『キッチン』よりもよかったのはワンシーンごとの面白さと、『のようなもの』というタイトル。だってそもそも「映画、演技、どこにでもあるシーン、のようなもの」と一括りにしてしまえば片付いてしまいますからね。
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