ナーオー

スターシップ・トゥルーパーズのナーオーのレビュー・感想・評価

5.0
地球連邦軍のブラックっぷりが最高。

一見すると馬鹿馬鹿しいSF戦争映画だけど、全体主義社会やナチズムに対する皮肉を多く込められ、見ようによっては強烈な風刺映画でもある本作。特に本編の途中途中に挟まれる連邦軍のプロパガンダ。愛と感動の姿を通じて戦争賛美、自国の美化、そして敵(バグズ)への徹底的な憎悪を市民に向けて放送している宣伝CM。このブラックさがたまらない笑

そして超グロい。敵のバグズにあっという間に身体をバラバラにされて、とにかくぐちゃぐちゃになる描写。男だろうが女だろうか死ぬときは呆気ない…
幼少期に味方であるはずの連合軍からも爆撃されその辺に死体が転がっているという壮絶な戦争体験をしたポール・バーホーベン監督だからこそ、戦争のリアル、人間なんて死ぬ時はこんなものという実体験も交えた皮肉が伺えます。

色んな意味でバーホーベン節がこれでもかと全開の傑作だと思います。
ナーオー

ナーオー