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長い散歩のachakoのネタバレレビュー・内容・結末

長い散歩(2006年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

奥田瑛二監督の作品

緒形拳が演じるお爺ちゃんと5歳の女の子さっちゃんの長〜いお散歩

お爺ちゃんは、壊してしまった家族への償いも兼ねて亡き妻の位牌を持って旅をする
また、虐待されていたさっちゃんを見かねて旅に同行させる(世間では誘拐)

でもお爺ちゃんからすれば誘拐ではなく、救ってあげたい気持ちがあったからだと思う
最初は心も開かず話もしない
笑う事もなく、ただ「置いてかないで…」
という言葉だけを発していた

旅の途中で、ワタルという帰国子女で心を閉ざし家出した青年も加わるのだが…

さっちゃんの母親は、親に抱かれた事がないから、子供を抱けないと…
ただ親と同じ事をしているだけ…と
なんとも切なく、やはり同じ事は繰り返されるのかと思うと辛い気持ちになった

奥田瑛二が撮る作品は、あらすじはしっかりしているが、最後にさっちゃんがワイヤーで吊られて飛んでいくシーンとか、静止画シーン、キャストがカメラ目線で話すシーン等々に違和感を感じてしまった

だが、悲しい物語なのに何故かホッコリさせられる不思議な感覚だった

あと、かなり号泣してしまった
人間は過去と共に生きている事…
行き詰まりながらも懸命に歩く(散歩する)という事…

緒形拳と女の子の演技がとても素晴らしく、心に響く作品だった
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