長い散歩の作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「長い散歩」に投稿された感想・評価

つくづく緒方拳は良い役者だったと感じ入る。

奥美濃の自然が美しい映画。
地獄のような日々から少女を助け出したのは、かつて自らの家庭を崩壊させた老人。
老人と少女は巡礼のように山へ向かう。
しかし社会はそれを誘拐と呼んだ。

映画だけでも十分その辺りは読み取ることは出来ると思いますが
ノベライズは登場人物の心情が細かく語られているので、映画で興味を持った方は
そちらも合わせてご覧になると面白いかも。

冒頭の愛岐大橋を渡ってゆくシーンと最後の場面が
この世からあの世へ、そして現実へと回帰するように思えてなりません。
有楽町・朝日ホールでの試写会で鑑賞。

奥田瑛二監督作品の第3作目。
見応えある映画。

年老いた男(緒形拳)が、近所で児童虐待を目の当たりにし、その少女を救おうとして「長い散歩」に出かけるが、世間ではそれを「誘拐事件」という。

長い散歩場面で、緒形拳は少女に優しく人間的に接する。

虐待していた母親が、高岡早起というのは、失礼ながら割とピッタリの配役だった気がする。

緒形拳が留置所から出てくる場面、延々と歩くのだが、これは「この男が今後『長い散歩』をすることになる」ことを暗示している気がした。

名場面といってよいだろう。
愛とは、なにか?それは、感情とほぼ同時だったりで

カラダが勝手に、動くこと。

ただ、この作品は
緒形拳さんが、終盤に選んだ作品という意味を想うと

なにを、世の中に届けたいのか?
なにを、語り継ぎたいのか?

その切なる
海

海の感想・評価

4.5
人生は、愛がなければ歩けない長い散歩。

これからまだまだ、何十年も生きていく幸の、その力になるための精一杯の愛。愛し方も愛され方も、きっと何一つ 学んでこなかった 大切にする方法も上手く知らないままその手で、小さな天使の女の子を抱き留めた。

人生には、自分を見つめるための旅が何度かあるんだな。
私はいつどこでどんなふうに、そんな旅に出会うんだろう。

おじいさんと幸が、知らない街の小さな食堂で うどん(たぶん)を食べているシーンがとっても好きだった。


言葉じゃ意味がないくらいの美しい想い出が、幸の人生をきっと救う。
長い散歩のその途中で、何度も思い出す記憶になる。

おじいさんの今までの長い散歩を、幸の存在がたった数日間で救ったように、幸のこれからの長い散歩を、おじいさんの与えた数日間が救っていくんだ。

それでいいんだ。
なにもまちがってない。幸を世界に連れ出したことが、彼の選んだ正しいことだ。

2017/12/8
らら子

らら子の感想・評価

1.5
私に読解力がないせいなのだけど、何を訴えたかったのか理解できなかったです。
家庭を顧みず、妻をアルコール依存症にし亡くなった後も娘に怨まれている元校長先生が、『贖罪』のため(?)に、アパートの隣の実の母にむごい虐待を受けている少女を連れて逃げる(長い散歩?)わけなのですが、そうする必要があったんだろうか?って疑問に思ってしまった。
少女を助けるのであれば、そのまま警察にいくとかあると思うんだけど。
まぁーーそうしたら話にならないわけなんだけど。あはは
あと、もう1つ。
松田翔太さんは死ぬ必要があったんだろうか?
私には『死』を美化しているように思えてならない。
とても素晴らしい役者さんばかりで、緒形拳さんも高岡早紀さんも迫真の名演技で、淡々としたストーリーだけど最後まで観せてしまうんだから、監督の力量がすごいのだと思います。
虐待を受け心を閉ざした少女は、いつも背中に羽をつけているんだけど、それが逆に痛々しかったです。
誘拐罪の刑に服し、出所しても誰も迎いにこない・・・人生って苛酷ですよねぇ。
かなり良かったです。
配役もそれぞれがベストマッチで、
人物の外観的イメージがそのまま配役に繋がっていたので
だからこそそれがその人物の本質な面を
じっくりと見せることが出来たのだと思う。

物語としては考えれば考える程に重いです。
世間体を気にしたことによる罪を背負った男
愛情に対する執着か天使の羽を背負った少女
日本世間に馴染めないでいる帰国子女の少年
愛されなかった故に愛することが出来ない母
可哀相と思ってもどうにも出来なかった青年

物語は単純なようでいて、実はとても奥深い。
人と人との事だからこそ1つの事項だけでは済まない。

旅の途中で段々少女に変化が現れてくるのを
実感してしまうと、やはり内心良かったと思う。
特に一番実感するのは、人から触れられるのを嫌う少女が
自分から触り始めた瞬間を始め
一番グッと来たのは最後の方で逃げる時に
最初は緒方が手を引いて逃げていたが
途中細い路地に入る時には少女が率先して手をひいていた。
いつの間にかこの旅は、緒方だけではなく
少女にとってもかけがいのないものになっていたんだろう。

松田も登場時間は短い割にはしっかりポイント抑えてきた。
拳銃の出現により、私は「もしや」と思った。
最終的にはその通りではあったけれど、
死後の世界を語っていた時の事を考えると
彼にも彼なりに色々あったのだろうと思う。
しかし少女の心を開くのは彼が一番早かったw
やはりなにか惹きあう物があったという事なんだろうか?

とにかく見せ方は上手いです。
虐待を受けて育ったので少女の心境も分かるし
反面、緒方の「助けよう」という思いも分かる。
ただ私は見て見ぬ振りしか出来ずに傍観決め込んだろう。
緒方は「助ける為にどうすべきか」を思案して
それを実際に思うだけでなく、実行した事は凄いことだ。

結果的に暴力的な面も使い、世間に誘拐と判断されても
始まりはとても純粋な気持ちでの行動と思えば
「そんな犯罪的であっても助けられるかどうか」を
自問自答すれば、私は行動に起こせず傍観すると思う。
他人事のように思って見向きもしない人が多い中
正義感を持って行動出来る人の希少さは凄いと思う。

で、途中から自分を見直す旅が加わって来るんだろうけど・・・
自分自身を見直す旅になるきっかけ的な部分は
少女や虐待に対しての感情の方の見せ方が強すぎて
過去のシーンが出てきても「だからどうした?」程度にしか
私は感じる事が出来なかった。
写真が「あの頃(初心)に帰ろう」という
意味合いだったのだろうか?
世間体や立場を気にして、当時に持っていたはずの愛情を
二の次にしてきた事・言葉にしてこなかった事の懺悔で
回帰思想的な意味合いで、山登りだったのだろうか?

最後の最後まで星5つだったんですけど
それこそ最後の最後の出所のシーンがどうも気に入らなくて
星4つ・・・ですかね(^^;
特に出所はいらなかったんじゃないかなと思う・・・
最後の最後でそれを持って来る事で
何を意図としたのか、何を言いたかったのかがイマイチ?
便りがないのは元気な印・・・的な感じなのだろうか?
そして誰もいなくなった・・・的な感じなのだろうか?
少女はその後どうなったのか
緒方の自虐の罪は癒されたのか
・・・なんだか少女を探して彷徨いそうで
最後の最後がちょっとだけ恐ろしく感じたりしました;
その割には歌が思いのほか軽くて拍子抜け
なので星4つで。
とにかく暗い。
さっちゃんがどんどん明るくなっていくのは見てて嬉しくなりました。公園のシーンとかめっちゃ微笑ましかった。

小さい時の愛情や経験って人格形成で凄く大事ですね。
nananan

nanananの感想・評価

3.1
子役の演技、どうなってんだろ?
どうやってあの演技をひきだすのか、
自分からあの演技をするのだろうか。
驚きでした。
あと高岡早紀さんの、あの雰囲気はすごい。

松田翔太さんのポジションは、少し謎…
もにえ

もにえの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

かなり前に見たのでうろ覚えだけど母親の「自分もそういう風に育てられたんだから」みたいな言葉が胸に来た
riekon

riekonの感想・評価

3.0
子供に虐待をする作品は観ているのが辛いけどこの作品のサッちゃんは特に痛々しくて…。
母親役が高岡早紀なので(この人こういう役多いよね)容赦なしの演技がリアルで凄かったです。
緒形拳の家族との事を後悔しているお爺ちゃん役も良くて駅前のシーンは泣いてしまいました。
暖かい手を掴んだのにまた離れて行ってしまった…サッちゃんがまた寂しい思いをしてないことを願います。