りっく

ハードコアの夜のりっくのレビュー・感想・評価

ハードコアの夜(1979年製作の映画)
3.5
自身がキリスト教カルヴァン派である厳格な家庭で育ったポールシュレイダーがメガホンを取った本作は、堕落した俗世に足を踏み入れる怒れる父親が失踪した娘を助け出す物語だが、現在であればリーアムニーソンがうってつけの配役だろうが、ジョージCスコットの圧倒的な存在感と異物感で引っ張っていく。

自らの価値観や生き方の転覆、頭でっかちな綺麗事の世界への疑問、抑圧的な世界からの脱却。娘を探すうちに知り合った女性はタクシードライバーのジョディフォスターを彷彿とさせるが、実の娘を救い出す代わりに、微かな救いを求めていた彼女はまた堕落した世界へと帰っていく。単なるハッピーエンドではない苦味がいっぱいに広がる。
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