キナ

遊星からの物体Xのキナのレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
4.0
「生きもの」のビジュアル造形が最高。
触手ブルンブルン、体液ダラダラ、頭グパグパ、全体的にデトデトしてて本当に気持ち悪くて気持ち良かった。

グロテスクな異生物そのものへの恐怖、身体を乗っ取られる恐怖、地球侵略の恐怖、そして誰も信じられない疑心暗鬼の恐怖。
色々混ざって最悪な南極基地を強制的に追体験させられる。

仲間内で疑い疑われの、誰が同化されたヤツか分からない状況はかなりキツかった。寄生され消化し終わったら完全に擬態できる設定の凄さ。
特定は出来ないけど恐ろしいモノがすぐ隣に潜んでいることは分かっている状態の恐ろしさよ。
ミステリーにおける孤島や館の密室殺人事件的な。それより格段にタチ悪い。
一触即発な血液検査のシーンが好き。心臓マッサージからのビックリ箱的な演出も大好き。声出た。

意外とローテンポだったけどずっと緊張感が張り詰めていて楽しかった。
「生きもの」VS人間の襲撃戦がメインだと思っていたので、火炎放射で案外すぐ停止するのには拍子抜けしたけれど。

最後はこれまたゾッとする終わり方。
凍え死ぬのが先か、誰か来てくれるのが先か、もしかして目の前の人物が…?見えない結末をただ待つしかない。ああ絶対嫌だ。面白かった。

デジタルリマスター版にて。
この作品を初見で大画面で観られることが幸せ。
キナ

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