らくだ

遊星からの物体Xのらくだのレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
4.5
「人間に寄生し、それそのものにすり替わってしまう化け物がいる」と分かった後の、閉鎖空間に閉じ込められた人間たちが疑心暗鬼でどんどん自滅していくのが、ホラーの完全な醍醐味として最高なんですよね。
神の視点から、人間たちの醜さという世界の美しさを観測して楽しむことが出来ます。好き…

「ホラーとしての脅威は存在するけど、その正体や出自については語る必要がないし、この作品のストーリーにおいては蛇足になるので特に触れない」というストロングスタイルな作りのホラー映画が大好きなんですけど、この作品もそういうスタイルだったので恐怖に集中できて助かります(??)
「意味が分からんけど無性におそろしいもの」ってめっちゃくちゃにこわくないですか?


80年代初頭とは思えないくらいえげつない怪物のデザインと所作、これほんとに気持ち悪くて怖いです。人間が想像する「生き物」としての形状をガン無視しためちゃくちゃなフォルムが最高すぎる。頭が逃げて蜘蛛になるやつ大好き。全くCGなんてものはない時代で、どう考えてもメイクや小道具大道具では再現できなさそうな動きをしてるんですけど、どういう技術で作ったんだろう…すごすぎる


あとこの映画はワンちゃんが死ぬので、ワンちゃんが死ぬのがしんどい人は気を付けてほしいですね。
人間も死ぬよ
らくだ

らくだ