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地獄の黙示録のtjZeroのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.4
劇中、米兵が故郷からの手紙を読む場面がある。
文面”ディズニーランドよりステキな場所がこの世にあるかい?”。
兵がつぶやく「ここ(ヴェトナム)だよ」。

戦場を”テーマパーク化”してしまった傲慢なアメリカが強烈に描かれる。

サーフィンに適しているという理由で海辺の村を焼き払ってしまったり、ジャングルの中でプレイメイトのバニーガール・ショーを開催したりする。
その、殺戮と狂騒の乱痴気騒ぎが呪われたカーニバルのよう。

主人公たちが乗った船が、”ジャングル・クルーズ”のように河をさかのぼってゆく。

序盤で出会う”中ボス”のサーフィン狂のギルゴア中佐は狂っていながらも、過剰に戦場に適応した陽気でイヤなアメリカである。
そしてクライマックス以降に登場する”ラスボス”…密林の己の帝国に君臨するカーツ大佐は、陰惨で屈折しているものの、もしかしたらアメリカの”ゆがんだ良心”のような存在。

ギルゴアが戦争の英雄となり、カーツが犯罪者として断罪される大いなる皮肉。

主演のマーティン・シーンの息子チャーリーが、後年『プラトーン』で主役を張るのは興味深い偶然か?
しかも、”チャーリー”という名はヴェトコン兵の通称でもある。やっぱり必然?!