若くして映画界の頂点を極めたコッポラが常人には理解できない域に達した結果、とんでもない狂気をはらんだ作品となった。この映画は単に戦争だとかベトナムについての話ではなく、何かに取り憑かれた人間の行き着く先というものが描かれている。本作の製作に莫大な費用がかかり、コッポラが私財を投げ打って作り上げたという有名なエピソードも、劇中のクレイジーな様相に重ねて見てしまう。
CGのない時代の戦場シーンのめちゃくちな撮影はこの先二度と作られることのなさそうなクリエイター主導時代の偉大な遺産。
マーロン・ブランド、デニス・ホッパー、ロバート・デュバルらレジェンド俳優たちが代わる代わる出てくる豪華さがたまらない。
2018年25本目
