ろ

地獄の黙示録のろのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.8


「私はあなたのニグロではない」の感想を書いているときに、(どうも、なにかが足りないな…)と思っていたの。

知ることだけが大事なわけ、ないじゃない。
もっと大事なこと、あるよね。
じゃあ、それはなんだろう。
その答えがこの映画にありました。

「きみは、考えているか?想像しているか?」

カーツ大佐に問われたとき、ドキッとした。
これだ、とおもったよ。



想像すること・考えること。
これがないのは、何も知らないことと一緒なの。

主人公に命令を出した上官、サーフィンのことで頭がいっぱいの兵士。
彼らは考えることをやめている。
だって、楽だもん。
「もしかすると自分が責められるかも知れない」という不安から目をそらす(自分の身を守る)ことができるし、ただ目の前の仕事をこなすことに集中していればいい。

そんな彼らと対照的なのが、集団ヒステリーを起こしてしまった兵士たち。
不安から目をそらしきれずに苦しむ彼らの姿は本当に痛々しいのだけれど、そんな彼らの気持ちがよく分かる、わたしがすごく好きな場面があるんだ。

ベトナムの人々の運搬船を止めるでしょう。
規則に違反していないか(武器を運んでいないか)確認する言うてね。その人たちは運搬物リストを持っていたし、運んでいたのはアヒルや牛やお米だった。だけど、兵士たちは衝動的にバンバン撃ってしまうの。それで、まだ息のある人を病院に連れて行こうとする。
自分たちが殺しておきながら助けようとする。
この矛盾のかなしさだよ。
彼らには「自分たちが悪いことしてるかもしれん」って迷いがあるんだね。だから、ぽっかり空いた心の穴を、欺瞞で埋めようとする。


同情する・しないの話ではないし、これはいい人悪い人なんて、決めつけられるほど、人間は単純じゃない。

わたしは、この映画に出てくる人みんなすきじゃないけれど、その人たちをとおして考えて考えて考えること、これはたまらなくすきでした。









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