R

地獄の黙示録のRのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.9
好き過ぎて何度も見てる映画のひとつ。久々に見たけど、やっぱ好きやわー。ホントに不思議でわけわからん映画なんやけど、いや、だからこそ好きなんだろな。オープニングからドアーズ、ヘリ、ファン、蒸し暑さ、薬で、そっこー脳内が恍惚状態、そっから繰り広げられるすべてのシーンがサイコーに気持ちいい。最初の見せ場はやっぱワーグナーかけながらヘリで村を爆撃するシーン。このシーンはスゴい!最後のナパームのトドメまでまるでパーティーの様に殺戮を楽しんでるのを見てると、こっちまでおかしくなってくるし、それ以降も狂熱に次ぐ狂熱がファンタジーみたいに展開していって、いろんな惨状に対してだんだん無感覚になっていく。だってそこは地獄なんだから、人が死にまるくるのも当たり前だよね、みたいな。で、途中から、だんだん戦争映画って感じがしなくなっていく、人間の狂気の極限を描きたいが為にあえて戦争を背景にした、みたいな。理性的な精神や意識を備えた人間というもの自体が、そもそもこの大宇宙において特異すぎるクレイジーな存在なわけで、理性をもっているからこそ、人間に内在する狂気のカオスは、バランス感覚に長けた自然の摂理のマッドさを超えて、他の何よりも激しくなりうるのだ、ということを、これほど感じさせる映画もないと思うわけよ。だから、この映画が好きじゃないって人がたくさんいるのもわかる。普通の戦争映画みたいに、悲惨さやヒロイズムやヒューマニズムみたいな、普通のエモーションとか感動とかカタルシスが、全然ないんだから。だけど、不思議なことにこの映画を見終わったときいつも感じるのは、とても静かな穏やかさで、もっと言うと、ひとつの壮大なスピリチュアルジャーニーを終えて、癒された感じすらするんだよね。ほんまに不思議。とんでもなくはげしい狂気という狂気を見せられていってるあいだに、頭がぼうっとしてきて、光と影が魔術のように織りなす艶めかしい映像と、すばらしすぎるアゲアゲなサウンドとミュージックに、アドレナリンがだだ漏れになってるからかもしれんなー。ここまでくるとエロスすら感じる。ほんとにサイコー! 役者もみんなスゴいし。てか最後まで生き残るのがあいつなのも個人的にはよかったわー、まさかの愛くるしい◯◯◯くんやからねー。いちばん好きなシーンはあの女を撃ち殺すとこかもしれんなー、いらんお節介はしないほうがいいよ、ほんとに。で、まさかの終わり方! そんな終わり方できるんや!と毎度ビックリやわ笑 ちなみに完全版まだ見てないので、完全版のほうが出来がよいことを期待して、4.9!
R

R