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悲情城市のyoko45のレビュー・感想・評価

悲情城市(1989年製作の映画)
4.5
 台湾、1945年、50年以上にわたる日本植民地統治の終わり、新しい台湾近代史の幕開けは、本省人(台湾出身)、外省人(中国大陸出身)が入り交じる混沌とした世界の始まりだった。
 それまで公にはあまり語られることのなかった戦後の混乱を1989年の本作品が直視し、台湾の人々の体験を明らかにしたことで国民的な映画となったそうです。

 街を取りまとめる力があることで日本統治時代でも日本人から一目置かれた林家の人々が時代の流れに翻弄される物語。
 トニー・レオン、耳が聞こえない林家の四男を好演してます。調べたら台湾語が分からないため聾唖という設定になったとの記述をみつけ納得。

 冒頭から玉音放送(日本敗戦)、日本家屋、日本の童謡も出てきます、赤とんぼも(冬冬の夏休みでもありました)。
 良いとか悪いとか、親しみが湧く湧かないではなく、影響を受け影響を与え常に時代と人々の生活は変化している、無関係ではいられないことを痛感します。
 林家だけでなく、国、家族、友人たちを想い、命がけで生きた人々の話でもありました。
 
 
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