パピヨン

悲情城市のパピヨンのレビュー・感想・評価

悲情城市(1989年製作の映画)
4.2
台湾ニューシネマの一人、ホウ·シャオシェン監督作品は、「フンクイの少年」「冬冬の夏休み」「童年往事 時の流れ」「恋恋風塵」「好男好女」「フラワーズ·オブ·シャンハイ」「黒衣の刺客」と本作品で、けっこう観てるんだなーっと。一時期ハマッタようです自分。
1945年8月15日、台湾では当然日本と同じく昭和天皇の玉音放送が、ラジオから流されておりました。これは、51年間に及ぶ日本統治からの解放を意味してますね。この瞬間の台湾の方々の心中は計り知れません。その日、北部の港町の基隆に暮らす大家族の船問屋、林家では長男に男児が誕生しました。次男は軍医として南洋に出兵し、三男は通訳として上海に赴いておりました。聴覚障害者の四男(トニー·レオン)は、郊外で写真館を営んでいます。日本統治下から解き放たれた台湾では、人々の暮らしが間を空けることなく続くのです。本省人と外省人の争いは激しさを増しますが、人々の暮らしが続くのです。そして····。
世界の映画人の目を台湾映画に向けさせた、ホウ·シャオシェンの特大アーチなのです。日本人にとっては複雑な感情であり、郷愁であり、なぜか心奪われる世界なのです。
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