たいへん守りたくなるトニー・レオンだった。
聾唖であり話に入れはしないが、純粋に人が好きそうな目で人の会話の中に入る。写真を撮ったり現像する姿も、台湾人や歴史を見る映画としての目線と繋がる。
戦争や政治で普通の人が死なないような世の中になって欲しいって当たり前の感想だけど、全然世の中なっていない。特に台湾の明日はもしかしたら公開当時より脆いものになっているのかもしれない。
また、映画からは離れつつも、日本の侵略が下敷きにあるわけだけど、台湾でも香港でも、今仲良くしてくれていることに甘んじてはいけないなといつも思う。きちんと先の日本人が反省したから今がある。人の足を踏んでしまったとき、長く覚えているのは踏まれたほうなのだ。
