教授

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲームの教授のレビュー・感想・評価

-
前作のテイスト以上に、ロバート・ダウニー・Jr.のキャラクター性を押し出し、怪物的なヒーローとしての「シャーロック・ホームズ」像を邁進させたのと、ジュード・ロウ演じるワトソンとのツンデレなブロマンス要素をクドいほど強調してくる点で「パワーアップした2作目」の方向性が斜めってしまっている印象。

前作の売りとして、最大の長所だった「ベーカーSt」などのロンドンの街を走り回る姿や、佇まいもどこかスチーム・パンク的な風情とガイ・リッチー印な「チャラい」編集センスのミスマッチ感が吉と出ていた。
それが本作は、やたらと小煩い過剰さとして目に余ってしまう。
しかも…ロンドンじゃないし。パリだったりスイスだったり。

後はアクションあり、サスペンスあり、ミステリーありのテンコ盛りで、国家レベルの危機を描いていたりもするのだが、全体的にとっ散らかってしまっているのは否めない。
特にホームズをやる場合に何よりその「ミステリー」の要素が重要になってくるが、その謎解きが前作同様の「設定ありき」の見せ方になってしまっているのが残念すぎる。

何より劇中何度も繰り返される「なんとなくボンヤリ」と先に映像を見せておいてからの「これはこういうことでした」と説明が入るというシーン。
ほぼほぼ、全編そればっかりで芸もなければ面白くもない。

その辺りの欠点をロバート・ダウニー・Jr.やジュード・ロウの演技力の安定感でカバーしている点も非常に危ういバランスの映画だと思う。
教授

教授