ドント

ダブルチームのドントのレビュー・感想・評価

ダブルチーム(1997年製作の映画)
-
1997年。面白かったけどだいぶ割り切った面白がり方をしてしまった。情に流され任務を失敗させた特殊部隊の男が連れ去られた先は死んだことにされたエリートたちの集まる孤島。妻とお腹の子を敵に誘拐され、脱出不可能とも思える島を抜け出しすごい格好のデニス・ロッドマンの助けを借りながら敵と妻子を追跡するヴァンダムアクション。
ツイ・ハーク×ヴァンダムコンビの1本目で、翌年の『ノック・オフ』に比べて大仰な演出はさほどでもないがその分大味っぷりが目立つ。冒頭のカーアクション、急襲作戦、孤島、追跡、ラストバトルが無理に接ぎ木されたように繋がっており、デニス・ロッドマンのざっくりした演技も相まって90分がぬるま湯のようであるのだがこのぬるさとその場面その場面の勢い任せぶりが心地よい。脚本がブロンソン『スーパー・マグナム』Tフーパー『スペース・バンパイア』の人となればなるほど、と頷く他なし。
派手な爆破を基礎にヴァンダムアクション、憂いをたたえたミッキー・ローク、気の効いたことを言うロッドマンがそれぞれに彩りを与え、その三色がうまく絡み合うとゆうことは全然ないのだがそれはそれとして、遊び心と乱暴さに満ちてとにかく楽しい映画である。なんかこう、味わい方が怪獣映画の「そうそう、こういう感じよ」に近い。終盤のあるシーンは17年後、『ワールド・ウォーZ』により変奏されるのであった。
ドント

ドント