女同士の友情を描いた作品には『花とアリス』『NANA』などがありますが、これほどまでに両極端な女同士の熱い友情物語を他に観たことがありません。
ふりふり甘ロリ系少女と、ふた昔前の漫画に出てきそうな筋金入りのヤンキー娘という、いわば水と油のようなふたり。
「できればロココ時代のおフランスに生まれたかった」桃子を深田恭子が。
ツバを吐き、バッキバキにメンチを切るヤンキーのイチゴを土屋アンナが務めていますが、ふたりとも役にマッチしていて、もはや天職。演技をしているというより、地でやっているのでは?と思うほど。
そんな両極端なふたりですが、共通するのはどちらも人に依存したり流されたりせず、自分をもって生きているということです。
そして一見強面のイチゴが、この生き方を桃子から学んで強くなるというのが面白かったです。
突如としてアニメが挿入されたり
お笑い芸人もちらほら出演されているなどコメディタッチな作風(ほぼコント)ですが、なかなかメッセージ性のある作品だと思います。
舞台となる下妻は いわゆる”ド田舎”という名誉だか不名誉だか分からない称号を賜る茨城の地名ですが、無知な私は当時これを「下品な妻」の略だと思って認識していました……。
下妻は うっかりすると牛の糞を踏んでしまうような長閑な田園で、当時は周辺町村との合併による消滅の危機があったみたいですが、この作品のヒットによって消滅を免れたそうですね。すごい。
茨城の下妻、覚えました。