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下妻物語のEyesworthのレビュー・感想・評価

下妻物語(2004年製作の映画)
4.6
【駆けて茨城】

中島哲也監督×深田恭子主演のコメディー作品

〈あらすじ〉
茨城県の下妻市。少女趣味的なロリータ・ファッションが大好きな女子高生・竜ヶ崎桃子は、服の購入資金のため偽ブランド品の販売を始める。ある日そこへ、特攻服を着た不良少女・白百合イチゴが彼女の商品を求めてやってくる。合いそうもない2人だったが、次第に妙な絆で結ばれていく…。

〈所感〉
ジャスコっていつからイオンになったんだっけ?タイトルからなんとなくずっと気になっていた邦画なので鑑賞。こういうハチャメチャなノリとヌルめの温度感のコメディーは個人的に好みなので単純に面白かった。性格も趣味嗜好も正反対の二人がお互いの好きなもののために奮闘する姿は、『ふたりはプリキュア』のなぎさとほのかのようで微笑ましい。ただ、シスターフッドを描いた作品なので、男からするとスケバンに憧れたり、ロココを夢見たりというのは、ちょっとよく分からない思考だったりするので、女性だったらメルヘンでロマンチックな女の子だったあの頃を取り戻せるという意味で、夢のある素敵な作品ではないかと思った。深キョン演じる竜ヶ崎桃子の融通が利かない反面、自立した女性像がカッコイイ。以下のような名言も多数↓

"人間は大きな幸せを前にすると急に臆病になる。幸せを勝ち取ることは不幸に耐えることより勇気がいるの"

"人間は一人なの。一人で生まれて一人で考えて一人で死んでいくの。人は一人じゃ生きられないなんて。だったら私は人じゃなくていい。ミジンコでいい。寄り添わなきゃ生きられない人間よりもずっとずっと自立してるもの”

もうちょい頑張れば『翔んで埼玉』に化けたのではないかと思える程の笑いと感動に満ち溢れた茨城ドラマでした。でもこれくらいの湯加減が本作ではちょうど良いのかもしれない。
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