EmiDebu

殺し屋1のEmiDebuのレビュー・感想・評価

殺し屋1(2001年製作の映画)
3.0
バイオレンス映画としてかなり有名な部類に入るこの映画。グロ耐性がないので今まで先延ばしにしてきたがとうとう観るに至る。

同名漫画を映画化したらしい今作。原作は読んだことないのだが、そちらはさらに刺激が強くて、面白いのでしょう。個人的にはジジィの目的やその他もろもろが全然描き切れてなくて忙しなく消えていく登場人物もあまり掘り下げられることはないので、詰め込みすぎだと思う。キャラの宝庫なだけにそれがあまりにも残念。どんなキャラも結局はイチと垣原の暴力を描くための道具にしかなってなくて正直単調だし、新しいキャラが出てくれば「まぁコイツも殺されるんだな」っていう冷めた目でしか見れない。なんて言ったってキャラクター性度外視でただ殺していくだけだから。殺すにしてもどんなやつかとか過去のこととかもっと付与してほしい。きっとこれが漫画にできて120分程度の映画にできないことなんだな。

しかし、映像技術や特殊メイクなどを多用して描かれるゴア描写は目を覆いたくなるほど強烈で、他でここまでのレベルの映画を観ようと思ってもなかなか見つけられないと思う。当時では確実に前衛的な撮影技法や演出は良いとは思うが多用しすぎてゴチャゴチャ。

ラストの解釈は色々とあると思うが、隣人13号も然り、クライマックスがそれ以前に来ちゃって難解にしておざなりにしてる感は否めない。今まで考えることも要さず多少無理矢理な都合の良いストーリーを進めて、描きたいだけグロを描いて最後を意味深にすることで難解な映画ぶるのは良くない。そんな映画じゃなかったはずだ。

先日ハングマンズノットを観たわけだけど、これを観た後に思うのはめちゃくちゃこの映画から影響受けてるなってこと。二方向からストーリーを進める感じ、気弱な男とクレイジー。なんか構図はほぼ一緒だった。

今考えると豪華キャストなわけだけど、自主制作のハングマンズノットに演技では及ばなかったようだ。あとリアリティもハングマンズノットの勝利。どうかこの映画の原作はきっと面白いんだろうと思ってることは勘違いしないで頂きたい。、
あと邦画特有なんだけどなに喋ってるか全然わからない!ボソボソ小声で喋ってみたり、大声上げて怒鳴ってみたり、何やってても会話が聞き取りづらい。海外の作品や日本のドラマではそんなことないのに映画になるとこういうのがたまにある。ホラー映画は特に多い。音量下げて聞くことに集中させるのもうやめにして、もっと正々堂々勝負してほしい。
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