薔薇

崖の薔薇のレビュー・感想・評価

(1955年製作の映画)
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フェデリコ・フェリーニ監督。
天才詐欺師の転落ストーリー。

あまり”らしさ”を感じられない映画。フェリーニ作品は初。割とコンパクトで凡庸なストーリーだった。

冒頭に登場するチームを詐欺師集団だと明かした後にストーリーが始まる部分は脱古典的ハリウッドという感じ。その後の農民から金を騙し取る主人公達のシーンがより一層面白くなっている。サスペンスまでには至らない二重構造。

ありがちなストーリーだが、途中のパーティのシークエンスは辛い。本物の金持ちになった年下の友人に馬鹿にされる詐欺師の主人公とその仲間達。その後に、主人公が離縁になった娘に会った事で善心がぶれるのも良い。

ラストシーンは本物の”崖”でのロケ撮影。転落人生をそのまんま映像にしていた。善心が芽生え、最終的に少女から金を取れなかった主人公がオオカミ少年として殺されるという皮肉な終わり方だった。分かりやすいけど凡庸な映画。
薔薇

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