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世界侵略:ロサンゼルス決戦のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

実家で。

2011年の洋画。

監督は「ミュータント・タートルズ」のジョナサン・リーベスマン。

あらすじ

2011年、突如ロサンゼルス上空に未確認飛行物体が現れ、相次いで海に落下、中から現れた侵略者たちは世界中の都市への攻撃を開始する。ロサンゼルス近郊にあるアメリカ海兵隊基地所属のナンツ二等軍曹(アーロン・エッカート「ドクター・エクソシスト」)は所属する小隊と共に激戦区であるサンタモニカの警察署内に残っている民間人の救出に向かうように指示される。

Netflixにて。

初めてこのタイトルを観た時はそのパッケージ含めて「なんか、すげぇB級のパチモン(アサイラム系)」かなー」なんて思ってたんだけど、これがまたちゃんとしたエンタメ大作の雰囲気を為していて、何だかんだ3、4回目の鑑賞となってしまっている。

はい、これ好きなやつなんですわ。

話はストレートな地球侵略もの、宇宙からエイリアンがやってきて、軍隊が戦うというシンプルでわかりやすいものとなっている。

特徴的なのは、地球軍に対して、エイリアンがほとんどその存在が希薄というかモブと化している点。

見た目はほとんどロボットみたいで、一応生身の身体はあるみたいだけど、外部を覆う装備と一体化している「戦うために生まれた身体」みたいなので、自我はほとんど見られない。

だから、その点を重視する人にとっては物足りないかもしれないけど、その分どこに重点を置いているかというと、地球軍における「人間ドラマ」及び「軍ものあるある」だ!

主人公ナッツ二等軍曹を中心に、過去の戦争で兄を亡くし、その軍を率いていたナッツに複雑な感情を抱くものがいたり、結婚を控える奴がいたり、お調子者がいたり、過去の戦いでPTSDを患っているやつがいたり、童貞がいたりと笑、エイリアンが攻めてくる前の序章パートでそれなりにそれぞれの関係性をスマートに描いている。

加えて、激戦区であるサンタモニカでは戦いの最中取り残された家族、とりわけ一家の主人であるマイケル・ペーニャ(「運び屋」)との関係性、後に小隊にエイリアン打破のための重大なキーを担う空軍からの紅一点、ミシェル・ロドリゲス(アリータ:バトル・エンジェル」)が合流したりと、よりその人間ドラマの伏線となりうるキャラクターが加わっていき、そして消えていく…。

序盤は迫力のある銃撃戦を楽しめるものの、各キャラクターがそれなりに数が多いので、見分けがつかないことでちょっぴり見辛さはあるものの、段々と慣れてくると「あー、あいつここでやられちゃったかー。」なんて思いながら、少しずつ感情移入していき終盤に向かっていくごとに「頑張れー!」と応援したくなること間違いなし!

今「キングダム」を単行本を読んで常々感じているからってわけじゃないけど、やっぱりこういう戦争ものにおける「キャラクターの死」はドラマチックだ。今作では特にナッツ二等軍曹が所属する小隊の若き隊長マルチネス少尉(ラモン・ロドリゲス「ニード・フォー・スピード」)とマイケル・ペーニャ演じる父親の殉死シーン。

前者のマルチネス少尉は、過去に部下の犠牲を出しつつも唯一生き残ったナッツを舐めプしていたものの、いざ戦いが始まるとキャリアが浅いこともあり、パニックに陥ってしまうが、最後にはこの手のものによくある「ここは俺に任せて先に行け!」展開によって、なかなかにその散り際はエモーショナル、そして後者は息子との親子愛を描きながら、遂には敵の銃弾に倒れ、「息子を頼む…」とナッツにその「意志」を託して生き絶えていく。それによって、終盤、意気消沈していた小隊に対して、それまで信頼があまりなかったナッツによる鼓舞、所謂「演説」シーンが始まるんだけど、それも熱かった!!

そう、ここまで書けばわかると思うが、この監督十分に「ツボ」を心得ているわけだ。

まぁ、ラスト軸であるロサンゼルスエリアのエイリアンの母艦を破壊し、でもまだ俺たちの戦いは終わっていない!もういっちょやっか!的なラストはちょっと戦争を美化し過ぎというかやり過ぎてる感(そして、ちょっぴりのプロパガンダ感)はあるものの、概ね楽しめる作品だった。

特にこういう戦争ものに苦手意識を抱いている人こそ、SFもの要素もコミで入りやすい作品と言えるのではないだろうか。
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