このレビューはネタバレを含みます
突拍子のない態度や表情の変化に混乱する。
ミステリアスで何を考えてるか分からないけど
ただただ不安定なのは怖いほど痛い程感じて
分かり切れない歯がゆさと
救えない虚しさに襲われる。
私にはなにより身近な光景だった。
大人は大人でなんてことない顔をして
実は心に癒えない傷をかかえている。
自分でも手の届かない程見えなくなっちゃう程
記憶の彼方に追いやってしまっているけれど
それでもその傷は確かにそこにあって・・・
何かの拍子に顔を出しては自分を苦しめる。
途中で終了ボタンを押そうかと思ったけれど
いま逃げたらまだ見えないけど
きっとどこかで待ってる未来の光を
永久に閉ざしてしまう気がして
それだけはどうしても嫌で
なんとか最後まで鑑賞した。
過去の地中への扉をCLOSEし
ようやく陽のあたる現在という地上へ♡
そして二人でちょっぴり不安だけど一歩一歩・・・
まだ怖いけどこの現在から続く未来を
信じてみようとする②人の後ろ姿はどこか清々しい。
そして彼らは父と息子として初めて
希望という名の我が家の扉をOPENする。
少しづつ少しづつでも彼らの心の景色が
色鮮やかになるといいな♬
切実にそう願って見つめていました。
ドラマチックな描き方は一切なく
誰か一人をフォーカスして描くこともない。
作品としては面白味がないと思われるかもしれない。
けど日常がそうであるように
なんとなくことが起きて
あれこれしているうちになんとなく収束して
そんな繰り返しの中で
静かに一人で傷付いて
静かに一人で悲しんで
静かに一人で苛立って
たまに一気に爆発して
それでもまた静かに誰かに癒やされて
気付かないまま少しづつ変化している。
この曖昧ではっきりしない「なんとなく」の中にこそ
人生のささやかな喜びや強烈な痛みがある。